地域からのお知らせ(北海道)
JAL、JALカード、ドコモ、「秘匿クロス統計技術」を活用し、 「関係人口」の創出による地域活性化をめざす実証実験を開始 ~地域と人々の関わりを明らかにし、社会価値の創造をめざします~
2025年7月31日
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日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:鳥取三津子、以下 JAL)、株式会社ジャルカード(本社:東京都品川区、代表取締役社長:西畑智博、以下 JALカード)、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田義晃、以下 ドコモ)は、「関係人口」の創出による地域活性化をめざし、国内各地を対象に、地域を訪問されるお客さまと地域の関わり方や訪問傾向を明らかにする実証実験(以下、本実証実験)を、2025年8月1日(金)から開始します。本実証実験は、JALが保有する顧客データと、ドコモが保有する携帯電話ネットワークの運用データ※1の一部(ドコモのお客さまがご利用の携帯電話の位置データ、およびドコモのお客さまの属性データ)から、NTT株式会社の協力を得てドコモが開発した「秘匿クロス統計技術」を用いて安全に人口統計情報※2を作成します。
■取り組みの背景
国内の多くの地域では、人口減少・高齢化が進むなか、地域を活性化するためには定住人口の増加だけではなく、地域と多様に関わる「関係人口」の創出が重要なテーマとなっています。しかし、現状は「関係人口」の地域との関わりを定量的に把握することが難しい課題があります。3社は、2022年からこの課題解決に向け取り組みを進め、2023年に行った実証実験で、北海道内の各空港から道東の各エリアへの訪問傾向を統計的に明らかにしました※3。本実証実験では、国内4空港(新千歳・南紀白浜・高松・福岡)とその周辺地域を対象として、JAL便に搭乗したお客さまの到着後の移動に関する人口統計情報から、特定地域を繰り返し訪問されるお客さま傾向を明らかにし、「関係人口」の増加に貢献する知見を得ることをめざします。
■実証実験概要
ドコモの「秘匿クロス統計技術」を活用し、JALの各種サービスをご利用されるお客さまの、地域との関わり方や訪問傾向を統計的に明らかにします。さらに、ドコモの「モバイル空間統計」も併せて活用することで、JALのサービスをご利用されるお客さまだけにとどまらずに、訪問されるお客さまと地域との関わり方や移動傾向を統計的に明らかにします。
1.特定地域を訪問されるお客さまの訪問・滞在エリアの把握
JAL便を利用し、各対象空港の特定地域を訪問されるお客さまの空港到着後の訪問・滞在エリアなどを分析することで、その地域を継続的に訪問されるお客さまの地域との関わり方を統計的に明らかにします。さらに、その統計から傾向を分析し、効果的な施策の検討につなげてまいります。
2.ふるさと納税と実際の訪問の関係性の把握
地域との関わりは、訪問だけではなく、その地域の物産購入やふるさと納税などによる自治体への寄付も含まれ、このような関わり方が実際の訪問につながることも期待されます。JALが展開している「JALふるさと納税」サービスのデータなどと、ドコモの保有する携帯電話ネットワークの運用データの一部を活用し、ふるさと納税の関わりが将来の訪問につながる影響について明らかにします。これにより、効果的に訪問を促すための知見の獲得をめざします。
■秘匿クロス統計技術について
JALのサービスをご利用されるお客さまの移動状況に関する人口統計情報は、本技術を用いて安全に作成されます。本技術は、各社が保有するデータを、各社において個人を識別できない状態(個人情報ではない状態)に加工した上で、データを相互に明かすことなく、つまり一連の処理を、人の目に触れることなく機械が行うことを技術的に保証することで異業種事業者の安全なデータ連携を実現します(詳細は別紙参照)。本技術は社会的価値や安全性が学術界からも高く評価されており、情報処理学会の業績賞を受賞しています。さらに、これまで大規模なデータを安全に集計するには技術的な制約がありましたが、秘匿クロス統計技術が高速な集計機能を実装したことで、国内各地の広域エリアに対応可能となり、本実証実験が可能になりました。
本技術は、「モバイル空間統計」のガイドラインに準拠しており、非識別化処理、集計処理、秘匿処理を通じて統計情報を作成します。また、モバイル空間統計ガイドラインの中でご案内している「運用データ利用停止手続き※4」を行っているドコモを利用するお客さまのデータは、本実証実験において利用しません。
■今後の展望
JAL、JALカード、ドコモの3社は、本実証実験を通じて得られた知見を活かして、移動を通じた地域と人々の関わりの創出とそれによる社会的・経済的価値の創出をめざすとともに、今後も異業種事業者の安全なデータ連携の実現を通じ、人と地域をつなぐことによる社会価値の創造に向け取り組んでまいります。
※1 電気通信サービスを提供する過程で発生するデータの総称でモバイル空間統計でも利用されています。運用データは、お客さまがご利用の携帯電話の位置データおよびお客さまの属性データを含むものですが、それぞれの定義についてはモバイル空間統計ガイドライン(以下のリンク)をご覧ください。

※2 本実証実験で扱う人口統計情報は、特定の日時・エリアの人口を表す統計情報です。集団の人数のみを表すため、お客さま個人を特定することはできません。
※3 2024年12月02日「JAL、JALカード、ドコモ、「秘匿クロス統計技術」を用いて地域活性化につながる知見の獲得に成功」

※4 モバイル空間統計に関する情報は以下のリンクをご覧ください。

*「秘匿クロス統計技術」および「モバイル空間統計」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。